ここに描かれた顔はどこかに実在していそうなゴッホの顔形によく似た別の男の顔である。
〈目次〉
序章 「ゴッホの神話」のなかのゴッホの姿
第一章 不条理なことがら
第二章 リヨン駅初アルル行き
第三章 左利きに描かれたゴッホ
第四章 アルルの『ファン・ゴッホ兄弟社』
第五章 ゴッホの自画像に同じ顔はない
第六章 アルルの太陽の終焉
第七章 寄せ集めの顔
第八章 サン・レミで描いたふたつの自画像
第九章 「左利きの自画像」の周辺
第一〇章 イサークソンの迷い
第一一章 最後にたどりついたところ
終章 ゴッホであることの証明
著者プロフィール
小林 英樹(こばやし・ひでき)
1947年、埼玉県に生まれる。東京芸術大学・油絵専攻卒。大阪・中の島美術学院講師、北海学園大学教授を経て、現在は愛知県立芸術大学・美術学部教授。
初の著作である『ゴッホの遺言』(小社刊)では、画家としての贋作に対する鋭い分析と未だ類例をみない論証により、諸説をくつがえす「ゴッホの自殺に真相」を明らかにした。読者から絶大なる信頼を得て、日本推理作家教会賞(評論その他の部門)を受賞。
他の著書に『ゴッホの証明』(小社刊)、『耳を切り取った男』(NHK出版・刊)『色彩浴』(ポーラ文化研究所)などがある。
※本書は、情報センター出版局発行の『ゴッホの証明』(2000年7月)のiPhone/iPad版です。